【かまいたちの夜×3】シナリオ格差がヤバすぎた件【レビュー】

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おはこんばんちは。

サウンドノベルの代表作とも言える『かまいたちの夜』ですが、オリジナル版は遊んだことがありませんでした。
今回の機会にせっかくだからと購入し、チマチマと遊んでみました。

それでは、『かまいたちの夜×3』のレビューを綴っていきます。

目次

作品概要

2024年10月5日時点の内容です。

対応機種Nintendo Switch
PlayStation 4
Windows(Steam)
プレイ機種Nintendo Switch
発売日2024年9月19日
ジャンルサウンドノベル
レビュー時点のプレイ時間約30時間
レビュー時点のプレイ状況エンディングコンプリート
レビュー時点のソフトウェアバージョンVer. 1.0.1

良かった点

青いシルエット

青いシルエットという表現はなかなか見ないが、こういう演出もありだなと感じた。
殺人犯がいる中でも顔が一切わからず、心境など見えづらい部分を補完したり想像したりできるのが味になっていて良い。

もちろん、顔がはっきり見える場面でも「どういう顔なんだろう?」と想像させる部分があり、それも良かった。

シルエットは青いが血はしっかり赤い

ネタエンディングの楽しさ

いずれの話にもネタエンディングがあり、なかなか面白いです。殺された人が登場しないため、ゲームとしてはどうかと思う部分もありますが、現実的に考えればこういう終わり方のほうがいいよね?と思ったり。

また、自分を犯人にしてふざけるとそのまま終わってしまうこともあり、意外な楽しみ方ができました。

エンディングのネタは豊富で良かった

ペンション”シュプール”編の魅力

シナリオの中で一番面白かったのはこのペンション”シュプール”編です。
「こんや、12じ、だれかがしぬ」という1枚の紙切れが、ペンションでの楽しいひとときを一瞬でぶっ壊してくる。
一気に空気が変わるきっかけが最高でした。

これで一気に緊張感が出た

選択肢によっては一人、また一人と殺害され、追い詰められていく恐怖感を味わえたのが良かったです。
監獄島のわらべ唄編や三日月島事件の真相編にはない緊張感がありました。

ただ、犯人はすぐに分かってしまったのと、欲を言えばもう少しボリュームが欲しかったところです。

イマイチな点

名前変更の仕様と没入感への影響

ペンション”シュプール”編と監獄島のわらべ唄編では、主人公とガールフレンドの名前を変更できる仕様になっています。
ガールフレンドの真理はそのままにしましたが、主人公はデフォルトの「透」から変更して遊んでみました。
しかし、三日月島事件の真相編では主人公は「透」で固定されていました。

元々デフォルトネームが「透」なのは理解できますが、名前の変更ができる/できないがシリーズを通して統一されていなかったのは気になりました。

シナリオとしてはすべてが繋がっていて登場人物も同じはずなのに、名前が異なることで繋がりが一気に薄れてしまい、没入感がかなり損なわれました。
そのため、本作ではデフォルトネームは変更しない方が良いですね。

T4nat0S

主人公の名前は普通に本名にしていた…。

監獄島のわらべ唄編

3つのシナリオの中では、監獄島のわらべ唄編が一番面白くなかったです。
まず、ペンション”シュプール”編がゲームの話だったという展開で始まるのが、全否定されているようで好きになれませんでした。
こういう展開は他の作品でもありますが、プレイしたのは何だったんだと思うので、意味が薄れてしまうのは残念です。

物語の舞台はペンション”シュプール”編の登場人物が一部を除いて招待されたという設定ですが、偶然が多すぎる印象です。
例えば、本当に殺したかった相手は招待されていなかったのに、他の招待客からの情報でたまたま参加してしまったこと。
殺された人も最初から狙われていたわけではなく、たまたまそうなり、たまたまわらべ唄と合っていたという展開です。

監獄島やわらべ唄という設定自体は非常に良いのに、偶然の重なりで殺人に至っているのは残念でした。

また、長年連れ添った妻が老婆に変装していたのに夫が全く気づかないという点も気になりました。
その老婆が役者や声優なら理解できましたが、音声がない中でプレイしているだけではわからず、やや違和感がありました。

全体的にペンション”シュプール”編で感じたミステリーらしい緊張感が薄れてしまった印象です。

三日月島事件の真相編

正直、非常にテンポが悪いと感じました。
4人の主人公を切り替えながら選択をして真相に迫る仕組みは面白そうに見えますが、実際はしんどかったです。

ほとんどの場面で一緒に行動する主人公が多いため、違う選択肢を選んでも他の主人公の視点でほぼ同じテキストを繰り返し読むことになります。
視点の違いや一部の選択肢が違うだけで、同じテキストを何度も見せられるのは非常に疲れました。

エンディングも複数ありますが、どの主人公でも似たような理由で同じ結末に到達するので、数が多い割に探す楽しみが薄いのも残念です。

また、真相と呼ばれていますが、犯人が判明してしまえば話はあっさりしていて特に深みを感じませんでした。
監獄島のわらべ唄編でも同じようなことを思ったが、ミステリーらしさが薄れてしまい、個人的には楽しめませんでした。
面白くなかった監獄島のわらべ唄編のウォシュレット的な存在だったのも残念です。

唯一印象に残ったのは、「カップラーメンください」というシーンくらいでした。

大事なことなので2回言いました

最後に

今回は『かまいたちの夜×3』を紹介しました。

この機会にシリーズ3部作を一通り遊べたのは良かったですが、やはりペンション”シュプール”編が面白すぎたことで、その後のシナリオがいまいちに感じられてしまったのが残念でした。

それぞれをランク付けするなら、神ゲー・糞ゲー・糞ゲーといったところで、平均して凡ゲーという評価になります。

それでも、サウンドノベルの金字塔といえばやはり『かまいたちの夜』だと思っています。
その名作を令和の時代に遊べる形でリリースしてくれたことは、ファンとして非常に嬉しい限りです。

ちなみに、ペンション”シュプール”のモデルとなったのは、長野県にあるペンション&コテージ クヌルプという宿泊施設のようです。
もし上田城跡などへ行く機会があれば、ついでに立ち寄ってみるのもいいかもしれません。

それでは、また。

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