おはこんばんちは。
2025年の一発目は『レナティス』をプレイしました。
もともとゲオのブラックフライデーセールで年末年始にやろうと思って買っていたのですが、Switch版で購入したのはちょっと失敗だったかもしれません。
それでは、『レナティス』のレビューを綴っていきます。
作品概要
対応機種 | Nintendo Swich PlayStation 4 PlayStation 5 Windows(Steam) |
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プレイ機種 | Nintendo Switch |
発売日 | 2024年7月25日 Nintendo Switch PlayStation 4 PlayStation 5 2024年9月28日 Windows(Steam) |
ジャンル | アクションRPG |
レビュー時点のプレイ時間 | 約19時間 |
レビュー時点のプレイ状況 | ストーリークリア。 追加要素は少しだけプレイ。 |
レビュー時点のソフトウェアバージョン | Ver. 1.0.9 |
良かった点
リアルすぎる渋谷
渋谷には旅行で行った程度ですが、それでも「渋谷だな」と感じられるほど再現度が高かったです。

もし近くに住んでいるなら、人が少ないであろう正月に現地で撮影したかったですが、北海道住みの俺には難しいので、比較用としてストリートビューを見てみました。
TSUTAYAやガストといった実際の店舗はもちろん、野郎ラーメンや一蘭といった有名店もゲーム内にあり、店に入ることもできるので、その点からもかなり気合が入っていると感じました。

渋谷の街を彩る「ウィザート」の魅力
渋谷の街には「ウィザート」と呼ばれる、ウィザードとアートを掛け合わせたシステムが存在します。これを活用することで能力強化や経験値、資金を得られるため、街中に点在するウィザートを探すのは意外と楽しい要素でした。
また、渋谷という街の雰囲気と非常にマッチしており、名前のセンスも含めてうまく世界観に絡めていると感じました。

イマイチな点
戦闘全般
本作の戦闘は、攻撃主体の「解放状態」と防御主体の「抑圧状態」という2つのモードに分かれている。
簡単に説明すると、以下のような特徴がある。
- 解放状態
- MPを消費して攻撃はできるが、回避以外の防御行動は出来ない。
- 回避吸収で上限以上にMPが貯まると、敵の動きを一定時間スローになり攻撃を叩き込めるバーストが発動できる。
- 抑圧状態
- MPを貯めることできるが、一切攻撃ができず防御行動のみ。
- 敵の近接攻撃時に魔法陣が現れ、ジャストタイミングで回避が出来たらMPを吸収しながら回避する回避吸収が発動できる。
これらの仕様により、戦闘中は頻繁に「解放」と「抑圧」を切り替えながら戦う必要がある。
戦闘システム自体は面白いと感じたものの、実際にプレイすると細かい部分で雑な印象を受けたため、主にその点についてピックアップしていく。
カメラ挙動の不便さ
元々カメラアングルが優れているわけではありませんが、操作キャラクターに強く依存しているため、攻撃モーションによってはカメラが激しく動き、画面が大きく揺れてしまいます。その影響で、相手の攻撃を把握しづらい場面が多かったです。
回避吸収の操作では、魔法陣が出たらすぐにボタンを長押しし、1周回ったら離す必要がありますが、魔法陣が出た瞬間にカメラが揺れることで操作に支障が出ることもありました。
また、遠距離攻撃時は長押し不要ですが、カメラの挙動が悪いため着弾のタイミングが分かりにくく、結果的に反射神経が強く求められる戦闘になっていました。
戦闘バランスの偏り
本作のバランスは極端です。
特に「ジャスト回避100%」と「インビンシブル」を組み合わせると、雑魚敵は一度の回避吸収で瞬殺可能になります。基本的にボス含めて雑魚になります。


シールド持ちの敵も場合によっては貫通して倒せるため、戦闘が非常に楽になる反面、緊張感や戦略性が薄れてしまっています。
ボス戦も同様で、一度回避吸収が成功すれば、そのまま攻撃を重ね必殺技まで繋げられるため、戦闘がすぐ終わってしまいます。これ自体はスムーズな展開として評価できるものの、バランス面での甘さは否めません。
また、このスキルを使わない場合は戦闘時間が長引くものの、敵の攻撃をひたすら待つという受動的なプレイになりやすく、プレイヤーの主体性が削がれてしまいます。
最終的に難易度調整のためにバーストや回避吸収を封じる方向に行き着くのは、戦闘の爽快感を失わせることになり、何を軸に楽しんでほしいのかが曖昧になってしまっている印象です。
動作の重さと演出との落差
おそらくSwitch版のみの問題だと思いたいですが、明らかに動作がカクカクしています。体感では30fpsも出ていないような感覚で、戦闘中の快適さを著しく損なっていました。
そのせいなのか、回避吸収の判定が非常に不安定で、「これが通らないのに、あっちは通るのか?」と感じるシーンが何度もありました。判定の基準が曖昧すぎて、プレイヤー側の再現性が損なわれているのが致命的です。
また、見た目の演出は派手で爽快感がありそうに見えるのに、実際に操作すると非常にもっさりしています。スピード感が無く、重たい操作感が目立ちました。
見た目だけは派手でも、操作感が伴っていないと逆にがっかり感が強くなるものです。たとえるなら、広いオープンワールドなのに何もない空間を歩くだけのゲームのような、中身の無さを演出がごまかせていない印象でした。
エラー落ちが多発
約19時間のプレイ中に6〜7回のエラー落ちが発生しましたが、これはさすがに多すぎる印象です。
特に問題なのが、序盤はほとんど落ちず、後半に入ったあたりから頻発するようになった点。プレイ時間でいうと8〜9時間を超えたあたりから1時間半に1回は落ちるようなペースで、かなり不安定でした。
一応オートセーブがあるので進行不能になるような事態にはならないものの、ボス戦をクリアしたあとにセーブされていないことがあり、ボス戦の最初からやり直しになるケースも。この仕様は正直ストレスが溜まりました。
アップデートがある程度行われている作品なら、最低限エラー落ちは早めに対処してほしかったところです。
多さが残念
全体的にバグが目立つのも気になるポイントでした。その中から、実際に遭遇した2つのバグを紹介します。
ファストトラベルが機能しない
マップを開いても何も表示されず、目的地にファストトラベルできない現象が頻発しました。
それでもボタン操作だけで「渋谷スクランブル交差点」には強引に移動でき、その後マップを開き直すことで、稀に正しく表示されることもあります。ただし、あくまで”たまに”の話で、複数回のやり直しが必要なケースが多く、非常に面倒です。
この不具合は前半では一切発生しなかったにもかかわらず、後半に入ってから急に頻発するようになり、進行がスムーズにいかないストレスを感じました。
オーバーキルでもHPが1残る謎現象
必殺技で明らかにオーバーキルしているはずなのに、敵のHPが1だけ残る現象が頻発しました。
Switch版は動画撮影に非対応のため画像での紹介となりますが、何発も3万超えのダメージを叩き込んだにも関わらず、なぜかトドメを刺せずにHPが1残るというケースが何度もありました。

特にボス戦ではHPゲージが表示されるため、この現象が起きているのがはっきり分かります。雑魚敵の場合はゲージしか見えないので判断しづらいですが、妙に倒しきれない場面が何度もあり、同様の現象が起きていると思われます。
こちらとしては、何万もの大ダメージを与えた時点で撃破したと判断して動いてしまうのですが──油断大敵ですね。
最後に
2025年一発目は『レナティス』を紹介しました。
率直に言うと、正直かなり雑でした。戦闘のバランス調整は明らかにミスっていて、エラー落ちやバグも多く、全体的に粗さが目立ちます。もし頻繁にアップデートが行われているなら、せめてエラー落ちやバグの改善はしてほしかったところです。
それでも、渋谷の再現度はかなり高くて、歩いていると「ああ、これが渋谷だな」と感じられました。ただ、どれだけリアルに再現されても、中身が伴わなければ面白くはないわけで、力を入れるポイントを間違えていると思います。もしかすると、実際の店舗や商品の実装に開発費を使い切ってしまったのかもしれませんね。
プレイ時間は20時間ほどで終わるので、その点はある意味ありがたかったです。これが40時間とかだったら、今年のGOTY(Gomigame部門)に間違いなくノミネートされていました。
それでは、また。
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